2007年12月5日水曜日

ガンガーに集まるひと


このあたりで一番大きな火葬場、マニカルニカー・ガート。絶えず煙が上がっていているそうです。
火葬場を見に行くというのも罰があたりそうな行為ですが、死にゆく場と生活の場が共存しているバラナシではその様子を見てこそのバラナシかと思います。
そのあたりへ近づくと、「その先は親族のみしか入れない。外国人はこっち。」と声を掛けてくる人がいます。そういう情報があれば、大切なことなので’写真撮影禁止’などと同じようにガイドブックにも載っているはずです。しかし、そういったコメントを見た記憶はありません。でももしかすると本当かもしれないし、ここは悲しみの場でもあるのでそうずかずかと足を踏み入れるわけにもいきません。そう思いながらも、なんとなく怪しいその人物を振り払って先へ進みます。するとまた「その先は親族のみ。尊重してください。外国人はこっち。」と声を掛けてきます。建物の2階に上がると、自分はこの火葬場で働く者だと言って簡単な説明をしてくれます。そして噂に聞いていた薪代を請求されます。150ルピー(450円)です。
ここで火葬されガンガーに灰を撒いてもらう為に全財産をはたいて遠くからやって来る人達がいる。火葬場近くにある、死期の近い人が死を待つ為の家がある。そんな話を聞いていたので、本当に薪代として寄付されるのならかまいません。しかし、薪代のトラブルが多いという話です。この人は本当にここで働く人なのか、薪代はちゃんといくべきところにいくのかさえわかりません。
生と死のあるガンガーでは、今までにない何かかんじるものがあるかもしれない。とどこかで信じていました。しかし、この地ではそんな深いことを考えるまでに至りません。というか、そんな気分に至る前に解決していかなければならない問題が次々と湧き出てきます。お花を買ってとついて来る子供達。施しをと寄ってくるおばあさん。ボートに乗らないかと言ってくるお兄さん。薪代をお願い!と言うおじさん。誰が本当で何が本当なのかわからなくなります。
神聖な場であると同時にここにいる人達の生活の場でもあります。そこへ訪れる観光客は生活がある人達の収入源でもあります。生活の場である限りこういう状況になってしまうのはある意味仕方のないことかもしれません。
でもなんとかして静かな気分でガンガーをみつめたいものです。

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