2007年11月15日木曜日

怪しいおじさんと快適な宿


サラエボのトルコ人街が今日の宿です。古い町並みが残っている地域です。暗い時間帯にしか見ていませんが、少し大分県の豆田町を思わせる街並みです。軒の低さや屋根の角度などどこか日本的です。しかも雪が積もっています。雪の積もった温泉街の風情があります。
クロアチアのドブロクニクを発ち、アドリア海沿岸のきれいな景色を眺めながらバスで走り、国境を越え約6時間。ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボに着きました。
サラエボに近づくにつれて建物の壁に残る銃弾の痕が見えるようになります。お墓も多いです。
学生の時に世界史の授業で聞いた’ヨーロッパの火薬庫’という言葉を思い出しました。このあたりには多くの民族が住んでいる為に対立・紛争が絶えず、しかもそれぞれのバックにある国々の利益もからみ、ここからいつ戦争に発展してもおかしくない、というたとえの言葉だったと記憶しています。
そんなことを思いながらバスから街を眺めていると、観光気分では降り立てない気分になります。
そして近くのイタリアもでしたが、東欧は日が暮れるのが早く、地形によっては夕方5時前に日が落ちてしまいます。夜が来るのがとても早い気がします。そして、サラエボに到着したのは夜10時です。もうすっかり夜中の気分です。暗いし雪も降ったりしているので、宿までタクシーで行きました。正規のタクシーでない、小遣い稼ぎの自称タクシー運転手に運賃をごまかされるところでした。しかし、宿のおじさんも私達の味方になってくれて「さあさあ」と宿の中へ招き入れてくれました。ところがこのおじさん。オランダ・アムステルダムで漂っていたあの葉っぱの匂いがぷんぷんとしてきます。舌がまわらないようですが、フランス語交じりで同じ事を何度も説明してくれます。足元もふらついているようなんですが、必要な時にはかなり機敏に動き回ってくれます。なんだか、不思議なところにたどり着いてしまいました。本当に不思議なことに、宿は古いけれどもとても清潔感があって快適なのです。おじさんが「明日やって来る」と言っていたマダムが相当なやり手なのでしょう。

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