2007年11月16日金曜日

戦争のあと


サラエボの建物は新しいもの以外はほとんど銃弾の痕があります。旧ユーゴスラビアの紛争で市街戦になった地域の為です。銀行やホテル、一般市民の住宅地まで。戦争を知らない私達にとっては想像できないほどの銃弾痕です。穴が埋められているものもありますが、当時のそのままのものらしきものもあります。民家の住民を狙っての銃弾痕ということです。
それと、お墓もとても多いです。私達の宿のすぐ近くにも墓地が拡がっています。
ここで暮らす人達にとっては、これが日常の風景になっているので、そこで立ち止まってじっと見たり写真を撮ったりするのが後ろめたいというか申し訳ないというか恥ずかしい行為のような気さえしてきます。この街は想像以上に都会的だし、食べ物屋で働く気の良いおじさんおばさんだったり、カフェに集まるのはお洒落できれいな女の子達だったり、これまでの街と表面上は変わりありません。
しかし、このあたりに暮らす人達の多くが戦争で家族を亡くしたり被害に遭っているのだろうと思います。
住宅団地のようなところで、雪で遊んでいる子供達がいました。この子供達はすでに戦争のことを知らないかもしれません。でも家族の誰かが戦争の被害に遭っているかもしれません。
銃弾の痕と墓地の多さを実際に見てみると、出来事の背景を知りたいと思うようになります。長い歴史と複雑な問題を理解するのは難しそうですが調べてみます。百聞は一見にしかずです。そんなきっかけになっただけでも、サラエボを訪れてよかったです。

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